「ストーリーライター」
〜艦隊これくしょん二次創作短編小説集その1〜
頒布価格:400円
ページ数:24P 文庫サイズ
12/30冬コミ2日目、スペース東ケ-35a「としょかんのじかん」にて初頒布
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ストーリーライター
 
『舞鎮食堂竜田揚げ定食680円』
ある日のお昼、食堂での二人
仲睦まじい天龍と龍田の、なんでもないひととき
「大好きよ お味はいかが?」
 
『事件だっ!』
 晴れて改二へと改装された比叡
さっそくその新しい姿を姉に見せに行くのだが……
「こりゃ一大事 オーマイガッ!」
 
『ストーリーライター』
戦いの後、夕焼けの空の下で佇む天竜と龍田
アンニュイな空気の中、過去を思い出し、語らう
「光が射して 未来を裂いて ストーリーの後編がスタート!」
 
 
 
 
 「どうでしょうか? 私の新しい姿――」
 私の新しい姿を、金剛お姉様が足元から上っていくようにじっくりと見つめる。足先、太腿、腰、胸――ああ、そんなに見ないでくださいドキドキしちゃいます――首元、顔、髪型……まで来たところで、お姉様が急に目を逸らす。
 「なんでしょうか? 比叡に何か落ち度でも――」
 ああ、これは他人の台詞だ、浮かれすぎて中破でドヤ顔する変態駆逐艦の口癖がつい出てしまった。どうしてだろう? どうしてかしら? ああ、熱暴走。
 「あ、いや、その髪型……くくっ、なんでもないアルネー」
 「中国生まれのお姉様?」
 っていうか笑われた! 語尾がおかしくなるぐらい変ってこと? 気合入れてみたのに!
 「お姉っ、様の……」
 「んー?」
 「馬鹿ぁー!」
 「え、ちょっと、比叡!」
 お姉様の制止も聞かず、私は泣きながら逃げるように駆け出していた。
 
 
 
 
 「けどよ、今も昔も、戦う為に生まれてきたこと、実際に戦い続けて生きていることは変わらないんだよなぁ。笑っちまうぜ」
 そうは言うものの、あまり気分の良い話でもない。横顔しか見せていないから眼帯で表情は隠せているはずなのに、この沈んだ気持ちを見透かされているようでさらに気分が重くなる。
 「……だけど、あの時とは違うこともあるじゃない。天龍ちゃんとずっと一緒に居られることとか」
 いつもと同じように見えてまるで違う、普段より少し優しげな笑みを、龍田が俺に向ける。
 「そういえば、あの時はほとんど一緒に居られなかったよな」
 「そうそう、お互い別々のところで戦っていたから……」
 そうだ、そうこうしているうちに俺が沈んじまって、後を追うように龍田も……。
 「けどさ、今は艦娘として生まれ変わって、お前と一緒に居るんだ」
 何もしてやれなかった、悔しい思い出を振り切るようにして言う。
 「セカンドライフね」
 それは違うと思うぞ、と頭を抱えながら突っ込みを入れる。 
 
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